初めてパチンコ屋に足を踏み入れて、初代ルパン三世のビックボーナスでコインを出し続けるばばあというショッキングなシーンを目撃してから、半年以上はパチンコ屋に近づくこともなかった。
そのころは大学生になってはじめての彼女も出来て、サークル活動なんかもして、充実した日々を送っていた。
年が明けて数ヶ月たって、二十歳になる直前、彼女に振られて、学生生活にも慣れてきて、飽きてきて、暇をもてあますようになった。そのころから暇つぶしにちょくちょく近所のパチンコ屋に行ってみるようになった。
初めはお小遣いを稼ごうという気楽な考えだった。もしタイムマシーンがあって、そのころに戻れるなら、パチンコ屋に入ろうとする僕を殴り倒して、小一時間説教を食らわせるんだけど、残念ながら未来の僕はそこには現れない。
初めて打った機種はぜんぜん覚えてない。気づいたときに打ってたのは、ベルコの「捕り物帳」だった。この機種は、0枚子役みたいなのがそろえば、デジタルが回って、777がそろえばビック確定という初心者にわかりやすい機種だった。
ビンゴとかが出てから変わったけど、昔のベルコの島はじじいばばあの巣窟で、20歳前後の僕は老人ホームのような島で浮きまくりながら打ってた。わけがわからないなりにも、デジタルの回転は興奮したし、確か確率も低くて当たりやすかったと思う。
最初は、3000円を持っていって、それがなくなればやめて帰り、出れば多少粘って5000?6000円を換金するような感じで、ちょっと高いゲーセンみたいな感覚だった。
そこでやめとけばよかったんだけど、そのころの僕は無謀な計画を立てて、どんどんのめりこんでいくことになって行く。
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